自律神経と脳とうつの関係
うつの原因は脳が影響するのか?
競争社会で忙しく過ごす日々のなか、うつになる人が増えていると言われています。
このうつの症状は、一般的にセロトニンという脳内の神経伝達物質のバランスが崩れてしまうことで起こると考えられています。
そして、自律神経の働きもうつに関係していることが注目されています。
自律神経は、意識的にコントロールできない内蔵や血液の働きを司る神経で活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経に分けられます。
交感神経も副交感神経も高いときは、一日のうちでどちらかが優位になる時間帯にしっかり働くことでバランスが取れますが、どちらも働きが低かったり、どちらかだけが優位でもう一方は働かない事が起こると私たちは心身に不調を感じるようになります。
交感神経が高く副交感神経が過度に低い人は、精神的ないらいらや起こりっぽさが出やすくなり、不整脈や慢性疲労、不眠などが体の症状としてあらわれます。
うつの症状は、交感神経が低く副交感神経が過剰に高いときに現れることが多いのです。
運転に例えると、アクセルを踏んでもスピードが出ず、ブレーキが効きやすい状態です。これでは、思うように走らず事故(うつ)になってもおかしくないですね。
また、精神疾患の一つで発汗、震え、めまいや強い不安感に陥るパニック障害も交感神経が過剰に働く時間が増えることで起こることがわかってきました。
心の不調和で起こるこれらの症状は、軽いものであれば自律神経のバランスを保つこと、食べることや呼吸のリズムを工夫するだけで心身が安定した状態に変化していきます。
病気として考えるのではなく、心身の不調は自律神経が関与していることから対処法を見つけていったほうが改善がスムーズに進みそうです。
幸せホルモン「セロトニン」も腸で作られる
消化管である腸は、自律神経に支配されているためアンバランスが続くと働きが低下して「血流悪化⇒むくみ」を招きます。
うつの発症に関わっているとされているセロトニンも大部分は腸で作られています。蝶が蠕動運動することでセロトニンが分泌されるため腸がむくむとその分泌が低下することになります。
脳が心地よくあるためにも、幸せホルモンが出ているほうが望ましいので腸と脳のつながりを見てとることができます。
腸と脳は、自律神経を通じて1つにつながっているので腸がむくんでいるときは脳もむくんでしまうのです。脳のストレスは腸に、腸のストレスは脳に伝わる、私たちの体は、」脳だけを研究するより相互の関係に注目したほうが心身の不調の背景がわかりやすく考えていけるのです。