環境の変化で受けるストレス
季節の変わり目に体調を崩しやすい理由
日本のように四季の変化がはっきりしている場所では、季節ごとに自律神経のバランスが変化するため外部の環境の影響を受けやすいという特徴があります。
自律神経は気温の影響を受けやすいので私たち日本人はうまく季節の変化に対応していかなくてはなりません。
秋から冬にかけて気温が下がってくると、体は体温を保つために交感神経の働きで血管を収縮させ血圧を上げることで血の巡りをよくしようとします。寒くなると風邪をひきやすなるイメージがありますが、寒さそのものに原因があるのではなくそれは気温の変化にあります。
気温が下がると交感神経が優位になりますがそれと同時に血液中では免疫細胞と呼ばれる白血球の一種の顆粒球が増えます。
一方、冬から春にかけて気温が上がると副交感神経が優位になり白血球のうちリンパ球が増えます。リンパ球と顆粒球は、役割分担しながら菌やウイルスを退治していますが自律神経のバランスが狂うと(どちらか一方が優位になりすぎると)分担がうまくいかなくなり免疫力が落ちてしまうのです。
冬の寒い時期の方が風邪をひくイメージが強いのは、もともと交感神経が優位になる季節に、日常でもストレスの多い日を過ごすことで自律神経のバランスがさらに崩れて当然、免疫力が低下して風邪などの感染症にかかりやすくなります。
春になり暖かくなると副交感神経が優位になりますが、副交感神経は血管を拡張させて筋肉を緩ませるなど体の機能をリラックスさせる方向に働きます。
リラックス自体は良いことなのですが、そのなかで不規則な生活をしていると今度は、緩みすぎて気力が減退する方向に進み、うつの引き金になったり五月病などの症状に見舞われます。
季節の変わり目は、体調はもちろん感情も不安定になるので毎日の体調管理が普段以上に大切なことがわかります。
心が落ち込みやすくなる気圧の変化
梅雨の時期にジメジメした天気が続くと気持ちが落ち込み、心身のアンバランスを感じる人が増えてきます。ここで関係しているのは気温ではなく気圧の影響になります。
気圧の低い梅雨時は、副交感神経がより優位な状態が続くため、心が落ち込みやすくなります。
反対に、日差しを感じる朝がくると開放的な気持ちになりますが、これは光の効果だけではなく気圧が深く関係しています。
低気圧が去り、晴れてくると交感神経が優位になりもとのバランスに取り戻して元気になっていくのです。
自律神経は、気温や気圧といった外界の刺激の影響で時にバランスを崩しますが、なるべく振り回されないようにすごしたいものです。
気温や気圧の変化による影響を最小限でとどめるために体(腸)の元気を回復することが自己管理の基本になりますね。