脳を元気にする腸内細菌の働き
腸が元気になると脳も元気になる
便秘と病気の関わりを考えてみると、うつ病の人の半数近くは便秘傾向にあると言われています。
うつ病まで行かなくても、食生活の乱れで腸内環境が悪化して血流が停滞すれば腸はむくんでしまいます。
腸の不調と便秘がひどくなることは体全体から見ると同じことでなので腸を元気にすることがメンタルを改善する近道であることが見えてきます。
腸内環境を整えることは、免疫力の強化にもつながるので便秘体質を改善し腸を元気にしておくことは病気の予防や悪化を止めることにもつながります。
腸は心身の健康のあらゆる場面で影響を及ぼすことがわかります。
頭の使いすぎは脳をむくませる
私たち現代人は、働きすぎ頑張り過ぎで頭を使いすぎる傾向にあります。頭の使いすぎは脳を疲れさせ、自律神経のバランスを不安定にしてそのことは腸の不調にも影響します。
それほどでもないことで悩んでしまう人は、ゆっくりと呼吸をして副交感神経を優位にすることを意識してみてください。肺が動くと横隔膜が刺激されて腸の蠕動運動も起こります。
ゆっくり呼吸すると腸が動き自律神経を介して脳にも伝わり、腸の元気が脳の元気になるのです。
脳のストレスが腸のトラブルになる「過敏性腸症候群」
働く人たちの間で増えている過敏性腸症候群という病気がいま注目されています。
過敏性腸症候群は、ストレスによって起こる便秘、下痢、腹痛などの症状をいいます。
・ストレス過多で交感神経が優位になることで起こりやすくなる便秘
・交感神経が過剰に優位な状態から急に副交感神経が働き出す下痢
・上記の便秘と下痢を繰り返すタイプ
に大きく分けられます。過敏性腸症候群は、脳で感じるストレスが腸のトラブルに通ずる病気と考えられてきましたが、最近では腸がストレスを受け脳に影響が出ているという可能性がいわれています。
脳を元気にする腸内細菌
脳の変化に腸内細菌が関わっているかもしれないという研究が行われました。
臆病なマウスと、行動的なマウスの腸内細菌を移し替えたところ、行動が逆転して性格が入れ替わったというデータが出ました。
菌を移植したことで臆病なマウスの腸内環境が改善され脳機能が活性化したということがわかり、脳の変化に腸内環境が関わっているかもしれないことが想定できます。
お腹が弱いとメンタルでも不安を抱えやすく臆病なマウスの状態になりやすいのです。メンタルの影響でお腹が不調を起こすこともありますが、お腹の機能が低下してメンタルが弱くなることもあるのです。